お問合せ・資料請求

日々のことblog

2022.08.20

仙禽100年プロジェクト

株式会社せんきん様より、大役を仰せ付かりました。
元々友人でもあることから依頼されたプロジェクトではございますが、決して甘えが許されることはなく、しばし友人であることを忘れねばならぬほどの覚悟を持って挑まねばならないでしょう。

現況はおおよそプロジェクトのアウトラインが決まり、建築物のヴォリューム検討、それに伴う予算配分。建築物だけに留まらず、敷地全体計画さらにはランドスケープ計画も視野に入れてデザイン。
普段の仕事である住宅は人の住まう器作りですが、今作においてゴールはお酒。それに至る人のオペレーションや仕事の効率化・快適性など、また違ったベクトルでの検討事項となります。そこにデザインを加え、地域の観光資源にまで発展させたいと願うのは両者の共通認識。

下記に今プロジェクトの大義をご紹介します。

1806年に創業された200年以上の歴史をもつ仙禽。日本酒一本であった御社がこの度新たに、果実酒を生産体制に加えるため、蔵を増設するプロジェクトをお手伝いさせていただくことになりました。
江戸時代からの歴史を背負う仙禽のある町並みは、神社へと続くまっすぐな一本道沿いに建ち、両サイドを豊富な水脈に裏付けされるかのような水路を併せもつ、どこはかとなく懐かしさ漂う通り。
そんな昔ながらの町並みを今後も継承し、発展させるのにこのプロジェクトはふさわしいのではないかと考え、「仙禽のある町並み」をテーマに、工場建築のみならず、既存の建築物のあり方の見直し、関連性の整理、事務所棟の整備、事業継承及び発展性のため、今このタイミングでのみふさわしいプロジェクトになるであろうと確信しています。
周辺環境の建築物はいずれも地場に根ざした昔ながらの素材が用いられており、それに倣うように素材を吟味しています。さらに屋根の形状も周辺と意識しながら、新築でありながらも昔からあるかのような、周辺環境に溶け込む馴染みの良いデザインを心掛けました。それが結果として地域住民にとっての景色となり、故郷となるのですから、いままでも、そしてこれからも、この町に仙禽のある景色として、町おこしにつながることを期待しています。観光資源の乏しい町であるからこそ、今ここにデザインが必要なのです

  • 建築物を造るのではなく、仙禽の未来を創る
  • 日本の果実酒に革命を起こす仙禽の手助け
  • 建築は脇役であり、人のオペレーションと出来上がる果実酒が主役である
  • 建築都合ではなく、作り手がいかに働きやすい環境を作るかだけを考える

住宅とはまた違った重圧…企業の今後100年を私たちCOMODOが担うと考えただけでも正直、ワクワクさせていただいております。
ここから日本酒や果実酒が人の手によって丁寧に作り出され、それがお客様の食卓にて嗜まれ笑顔が生まれる、これが今回の我々の着地点といったところでしょうか。建築を造るのではなく、その先をつくることこそが、住宅に限らず我々の責務なのです。

大谷石の蔵が出迎える仙禽の酒蔵
土地を拡げ果実酒工場を増築します
見学させていただいた足利にあるココ・ファーム・ワイナリーさんの葡萄畑
丘陵の景色はヨーロッパのそれを彷彿させるほど美しい
絞られた葡萄がステンレスタンクにてワインが生まれる
熟成中の貯蔵庫

このご時世だというのに、大垣シェフに次いで同世代がこのビッグチャレンジ…忙しさにかまけている己に引け目を感じてしまうほど嫉妬心を抱きます。負けてはおられませぬ‼︎

飯田 拝

.

.

.

お問い合わせ先
株式会社  COMODO建築工房
住所|栃木県宇都宮市上桑島町1465-41
TEL|028-689-9560
mail|info@comodo-arc.jp

■資料請求

■COMODO CHANNEL(YouTube)

■Instagram