新築
いちごの恩返し
現代の農家住宅
いちご農家さんの家で、一般住宅とは異なり住と職が隣り合わせ、しかも密接な関係性を併せ持たせなくてはなりません。表玄関と裏玄関を設け、外の汚れをなるべくうちへ持ち込まないための工夫。土足のままの打ち合わせスペース、ビニールハウスとの距離感など、住のプライバシーと職の利便性を実現できたように思います。
外部構成は外壁を杉板張りとし、屋根には瓦屋根を葺きましたので、重厚感のある存在を放っております。ハイサイドライト(高窓)のための切り欠きが外観の最大の特徴といえます。
内部構成は一つ一つの空間にゆとりを求められましたので、ただだらしなく繋がるのではなく、用途としてのみあるのではなく、意味を持って紡ぐような連続性を意識し、結果全体の空間として捉えられる工夫を施しました。使用する素材はいつも通り自然の物を用いていますが、今作は特に、鹿児島は桜島の火山灰を利用した左官材で仕上げることで、空気質が普段とは異なる印象を受けるかもしれません。天井にはよしベニヤをあしらうなど、癖強めな素材たちを時には打ち消し合いながら、時には融合させながらと、様々な素材を空間に織りなしてみました。
建築地 | 栃木県河内郡 |
構造 | 木造平屋建 |
施工期間 | 2021.09〜2022.04 |
敷地面積 | |
延床面積 | 127.77㎡(38.60坪) |
家族構成 | 夫婦 |