2018.11.01
EU視察における温熱環境考察|中編
後編はスイスのバーゼルから。
土曜日の朝市だそうで、チーズやソーセージなどが陳列され、朝食を食べてきてしまった事を後悔…
こんな色鮮やかで美しい花々を見られれば、朝からやさしい気持ちになれます(笑)
レンゾ・ピアノによる美術館。
自然光を積極的に取り入れいているのが印象的。
バルスの企画展が行われていました。
なんと中は携帯ならば撮影OK。
全部の写真を納めようと一部のアジア人は必死…見返すのでしょうか?
モネなども納められています。
光りは自然光と照明器具でライトコントロールされています。
レストレーションルーム。
つまりは美術品などの修復が行われる部屋。
スイスの町並を2時間ほど歩きながら次の目的地へ。
アートウォークになっているそう。
ちょうどワイン用のブドウの収穫時期。
2週間で何本ほど呑んだのでしょう…美味しくて杯が進む進む笑
目的地が見えてきました。
北欧家具メーカーのvitra社。
各国の建築家による複合建築地帯とでも申しましょうか。
まずは日本が誇る建築家の一人、安藤忠雄。
例の騒動で日本でも耳馴染みのあるザハ・ハディド。
女流建築家である妹島和代
半透明の外壁材。
フランク・ゲーリー。
ここら辺の建築物は専門外なので割愛しますが、その力強さには圧倒されました。
街中ではもちろん多くの車が行き交うわけですが、建築以外にも車が楽しめる僕にとってはまさにパラダイス!!
クラッシックカーも多く、356ポルシェを激写。
カメラを構えるとポージングしてくれるのはこちらの国民性?
ローヌ川(だったかな?)のほとり。
こんな夜景を見ながらのディナーですもの、ワインが進まない、ワケがない!!
建築家人生、一度は見ねばと心に誓っていた建築物。
ル・コルビュジェ作|ロンシャンの礼拝堂。
建築は人の心に拠り所を提供する事が出来ると確信します。
今回の旅は建築物の見学だけではありません。
ドイツ|フライブルグにて、環境ジャーナリストの村上敦さんをお迎えしての講義を受けて参りました。
ドイツにおける環境への取り組みや、地域暖房、住宅供給事情などをご教示頂きました。
町並形成から地域住民が積極的に参加し、自分たちの住まう町づくりを担っています。
こちらでは集合住宅が主であり、戸建てにおいてもコーポラティブハウスが一般的。
なお、コーポラティブハウスとは、入居希望者が集まり組合を結成し、その組合が事業主となって、土地取得から設計者や建設業者の手配まで、建設行為の全てを行う集合住宅のこと。
断熱改修後のアパートメント。
この前の写真と比較しますと、窓周りの懐に厚みが増しているのが見て取れると思います。
こちらが船のエンジンを使った地域暖房における給湯施設。
日本では耳馴染みがないこの地域暖房ですが、一括してお湯をこの地域に供給しています。
「脱原発」の手ぬぐい。
正直な話、ここに来るまでのこの「脱原発」という言葉に嫌悪感を抱いておりました。
それは単に知らなかっただけの事。
しかし、もう興味がないなどの理由はもはや通用せず、3.31以降自身の問題へと転嫁されています。
声高らかに、とまでも行けませんけれども、未来の地球のために、いまできる事を。
地域住民で電力会社を立ち上げたEWS。
自分たちの生活は自分たちで賄う、その精神で原発からの脱却を図り、そしてそれを成功させる。
とんでもない精神力に感服。
もちろん太陽光や風による再生可能エネルギーで発電。
コージェネレーションシステムにより、電気と給湯を作る施設も。
その取り組みが、これだけの表彰で物語っています。
ソーラーコンプレックス社の取り組みも。
文字通り太陽光を主体に、風力やバイオマスの発電に取り組んでいる会社。
日本では発展しづらいであろうバイオマス発電。
日本でも発電するけれども、それに伴うお湯がほぼ活用されていないという。
それがこちらでは先程の地域暖房として生かされている。
なお、この施設でおよそ100件分だという。
こちらでは深刻な水不足だそうで、湖の水が例年に比べてこんなにも水位が下がってしまってます。
これもまた環境破壊による影響かと思うと…取り組む意欲、もはや責務です。
現地で活躍する建築家による交流も。
自邸を拝見させて頂きました。
北欧らしい、シンプルで美しい佇まいが好印象でした。
自宅には集中空調システムが構築。
図面を交えながらご教示頂きました。
なお、こちらの住宅は氏が発案したコーポラティブハウス群。
合理的かつ汎用性を持たせたシステムだそう。
先程の湖を船で移動し、ズントーの美術館へ。
これこそ、僕の建築に対する許容性を大幅にオーバーした建築物。
評価する事自体はばかれる存在感でした。
いやはや、2週間ともなるとどこの国にどこへ行ったのかすらあやふやになります(笑)
こうしてブログを書く事で精査されるので良い機会ですね。
渡航してから一ヶ月が過ぎておりますが、当時に感じた自身の思いがブラッシュアップされています。
近日、北欧から影響を受け、今後の建築に対しての思いをコラムに書き綴りたいと思います。]]>