2019.03.02
新作|ふたつでひとつの家
「ふたつでひとつの家」
今作は完全二世帯住宅となります。
当時は余裕ある敷地内に2棟同時に、とご依頼を頂いたものの、ご商売をされている性質上、「仲が悪いのでは?」と思われる懸念を抱きました。
親世帯子世帯と共にのご依頼でしたから、デザインの一過性はあるものの、バランス的にもコスト的にもあまり良い結果がうまれるとは思えず。
結果的に「ふたつでひとつ」の設計案とさせて頂きました。
規模では弊社最大を誇る大きさとなりましたが、その大きいが故の弊害を打ち消す工夫が今作の課題となった様に思います。
更に、“完全二世帯”が諸条件と与えられ、それは厳守する判断。
決して仲が悪いわけではございませんが、同じ職場といえど親と子で生活リズムが違いますし、現在は離れて暮らしている状況。
嫁姑問題(笑)も加味し、“付かず離れず”と言った曖昧な距離感を保つ工夫を施しました。
左が子世帯で2階建て、右が子世帯で平屋。
生活音の遮断が二世帯住宅では重要課題となりますから、子世帯部分が平屋にオーバーラップしないよう注意。
単純矩形でひとつにまとめあげると、結果的にヴォリューミー過ぎてみっともない。
視界や生活動線の交錯を避ける意味でも、T字型という結論に至りました。
完全二世帯といえど、やんわりと何かで繋げたい。
そんな想いがこの“通り土間”という結論に至るわけです。
この通り土間内に双方の玄関があるわけですが、その玄関の位置も交錯は避けるように慎重に配置。
リビングの開き方には細心の注意を払います。
キッチンで調理中、視線を感じてふと見上げると…おたがい気まずい(笑)
そして窓を開けることを控えてしまい、結果的にその窓は風も視線も通らない、明かり取りだけの窓に成り下がってしまう。
そういったことも配慮しながら設計は進められていくのです。
普段の設計する住まいが比較的ヴォリュームが抑えられた住まいばかりですから、あまり大きな家は不得意だったのですが、今作はうまくまとめられた様に思います。
3月4月5月とプレゼンが4棟続きますが、頭がヒートしない様に気をつけます…苦笑
そして3月23日・24日とリオタデザイン設計の「パーゴラテラスの家」のオープンハウスを開催いたします。
詳細が決まり次第またこちらでご案内を差し上げます。
そして更に、4月6日・7日には「普請の家」が公開となります。
こちらは元々3年前に弊社で建てさせて頂いた「INDYHOUSE」がベースとなります。
海外転勤となった住まい手さんから家守りを託され、自由に使用して良いと許可を頂きましたので、しばらくの間“体験型ショーホーム”として活用させて頂くことに。
体験型とはつまり宿泊できる展示場ということ。
デザインが先行しがちの住宅建築ですが、きちんと住まい心地もいいのですよ?という立証がされると思います。
詳細はまた追って告知いたします。]]>