2020.04.02
新作|ホットスープハウス
久々の新作発表です。
実は既に話は進んでいたものの、UPしていなかっただけなのですが…
今作のタイトルにある「ホットスープハウス」の意味ですが、親との距離感はスープの冷めない距離感がちょうど良いと古来から申します。
親世帯の土地に別棟として子世帯の新築となる故、そんな距離感であると思い命名しました。
ヒアリングの中にも奥様から“程よい距離感”という要望が垣間見えたため、設計の糸口はそこからスタート。
壁で覆ってプライバシーを確保するのはナンセンスですし、露骨すぎてむしろヒビが入る笑
間取りをL型に配し、庭を囲うようにレイアウト。
僕の設計では基本的に庭を中心に開口を設けるため、その開口が親世帯に触れないように配慮しています。
とはいえそれも露骨ですから、玄関は親世帯側に、通り土間として子世帯の庭へ通ずるようにしました。
多世帯の場合、せめて玄関だけはある程度の近しい距離感の方がうまくいくように思います。
その塩梅を通り土間に託したのが今作の間取りとなります。
間取りの写真から小変更がございますが、左の棟にLDK+和室、右の棟に個室群といったレイアウト。
客人が多く集うことから、通り土間を介しパブリックとプライバシーを明確に分けました。
家事動線的には多少距離があるものの、小さな設計ゆえさほど苦にはならないことでしょう。
また今回リビングは一段下がったピット状としています。
そうすることで外との距離感が心地よく生まれ、開放感ならぬ内包感が生まれます。
家に包まれているような守られているような。
天井が方形のピラミッド型で吹き抜けているため、まるでテントの中にいるような安心感を得られることでしょう。
そこに大きなデッキを接続させることで、内包感と開放感の調節を計れる仕組みとなります。
家の正面と背中。
北面が背中で南面が正面というのが一般的な回答なのでしょうけれど、どこに対し何を表現するのか。
エアコンの室外機の位置や給湯器、玄関、メインの開口など、配慮する点は多数存在しますが、それを曖昧にするのも設計の技量であると今作で感じています。
竣工は年末となりますでしょうか。
どうか工事がスムーズに進みますように…。
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