2021.02.19
新作|田園に佇む家のある縁側
設計が溜まってきてしまい、少々慌て気味な今日この頃。インスピレーションとパッションを大切にしているため、その時が来ないと頭が回転しないのです。という言い訳な嘘はさておき。
今作は田園風景に佇む平屋の4人家族のための住まい。周囲は田んぼに囲まれ、遠くには山並みを拝める、よく言えば長閑、悪く言えば何もない。しかしながらその何もない、ことこそが特徴として捉え、設計を進めました。
住まい手さんは来春に埼玉からここ栃木県へと移住を決意されました。土地の候補はあったものの決め手がなく、私が背中を押させていただき即決。
さて、特徴がないということが最大の魅力でもあるこの土地の捉え方。360°のパノラマをどう傍受するか。東面道路はそれなりに車の往来があり、住宅はまばらなため否が応にもドライバーの視点はこの住宅が目に留まり、視線を感じるかもしれない。とはいえ塀で遮蔽するのは無骨。植栽で視線を遮りつつ、建物を折ることでやんわりと視線を回避することに。
ご所望であった屋根付車庫を本体と繋げ、雨の日でも濡れることなく、また最短で玄関へとアプローチできることは、子育て世代としてはとても重宝するかと思います。
全体構成として、敷地には余裕があるため東西に長い計画は一択し、南面を可能な限り確保。北面にも抜け感があるものの、抜け過ぎは心身の拠り所がなく、所在なく落ち着きが得られないと判断。南面を開口しつつ、程よい具合で北面にも抜けを確保しました。
玄関を抜けるとダイニングからキッチン、リビングへと続きます。入り口の諸室は迷いどころなのですが、あくまでおもてなしではなく住まうための住宅であると割り切り、プライバシー配慮は今作においてはあまり意識せず。
奥には個室が広がり、その途中には水廻りを集約し、キッチンと隣接しているため家事動線に配慮。収納は集約せず、必要なところに必要なヴォリュームを確保しております。
内と外との関係性は常套手段である縁側で曖昧に緩く繋げ、実面積以上のゆとりと豊さが得られることでしょう。
性能面においては下記をご参照ください。
主要断熱材|セルローズファイバー
基礎|ポリスチレンフォーム2種 60mm(基礎断熱の場合)
壁 |105mm 55kg/㎡ 天井|180mm 25kg/㎡
開口|LIXILサーモスL(一部木製造作)
UA値|0.42
等級|4
空調システム|床下エアコン(床置型)+ルームエアコン(壁掛型)
竣工は秋頃を予定しております。
見学会のお知らせ
◆内包する家|栃木県下都賀郡
4月3日〜11日
◆個々の家|栃木県宇都宮市 ✳︎性能・構造見学会となります。
4月3・4日
◆ホタル山景の家|栃木県大田原市
4月19日〜25日
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住所|栃木県宇都宮市上桑島町1465-41
TEL|028-689-9560
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