こんにちはヒロです。自身3作品目となる新作発表となります。
前回に引き続き、建築地は福島県。気付けば福島担当？になっております。(いえ、偶然でしょう)
こちらの案件は、福島でも県南の栃木県寄りに位置する白河市であるため、設計・監理と施工を一貫して請け負わせていただきます。

設計コンセプト

夫婦と子2人の23坪の住まいです。
住まい手さんであるご家族が纏う優しい雰囲気に引き込まれ、終始穏やかな打合せ時間を過ごせたのは言うまでもありません。例え子供が大きくなったとしても、ずっと変わらないであろうご家族の関係性。そんなご家族を、建物が優しくまとうような住まいを目指し「纏(まとい)のいえ」と名付けさせていただきました。
限られた空間だからこそ得られる一体感。派手さはないけれども、良い意味での素朴さを感じられる佇まいとなりました。

外部環境

住宅密集地にある本計画地は58坪と、普段の敷地と比べ少し小ぶりではありますが、幸い南面の敷地よりも1.5m程高く、南面建物の圧迫感を一切感じさせない敷地条件です。そこに適度な余白を残しつつガレージ1台を併設した住まいを配置しました。前面道路の幅員が狭いため、住まい手さんと車の旋回を現地で検証し、敷地に対して少し角度を振って、ゆとりある駐車スペースと南面の庭を確保いたしました。
外観は、住宅街の立地を生かして杉板張りの色使いに配慮。ガレージの屋根は小波板を採用し軽やかで、且つ、タウンユースなデザインに仕立て周辺環境にも馴染むものと思います。

内部環境

1階はLDKと水廻り、2階に各居室を設けたシンプルな構成としています。1階南面には長軸方向にLDKを配置し、日中の採光を最大限に取り込みます。2階の各居室も同様に長軸方向に配置、必要以上に大きくせず壁や扉を最小限にすることで、面積以上の広がりを感じさせます。
また断面構成は、1階の壁から繋がる大きな吹き抜けから2階の壁へ、さらには天井へと繋がり、建物全体を覆う一枚の布のような柔らかさを表現しております。扇型の天井で建物全体を覆うことで、視覚的な広がりの効果に加えて、環境が悪くなりがちな奥部屋へも光と風を導きます。

性能

性能を追い求めれば、いくらでも高性能な住まいを造ることが可能です。しかしながら、それを実現するためには大きな費用が伴います。住まいには省エネ性能以外にも、デザインや構造、外構等を含めトータルバランスが重要と考えます。総予算を踏まえた上でできる最大限の住まいを提供いたします。
その中でも、建築で実現できる方法を模索し、暖房時にはパッシブヒーティングを期待した計画が重要と考えます。
本計画では南面に位置するLDKと吹き抜けに開口を増やし、寒さが厳しい福島でも快適な住空間を実現します。高い数値に捉われない、高い満足度を目指した住まいづくりを提供しております。

性能表示
基礎｜ポリスチレンフォーム断熱材2種 t60（底盤t25）
壁　｜セルローズファイバー /105mm/55kg/㎡ 
屋根｜セルローズファイバー /250mm/55kg/㎡ 
開口｜LIXIL TW+EW併用 ペアガラス（一部木製造作） 
空調｜壁掛ルームエアコン
換気｜第3種
性能｜UA値0.39

ヒロ　拝

───────────────────⁠────

Instagramでは「つくるいえ」の日常を掲載しております
よろしければこちらもご覧ください
Instagram

───────────────────⁠────